2006年01月01日
ちょっとまてwwwwwwまだあるのかwwwwwww
こんなに愛されるとは思わなかったwwwwwwwwwwwww
テラウレシスwwwwwwwwwwww
344 名前:VIP:2006/02/13(月) 18:42:23.94 ID:wf1CGEY10
作者だけど何か質問ある?
346 名前:VIP:2006/02/13(月) 18:50:21.27 ID:eY/Gx5gyO
>>344
主人公
ミナ
第四潜水艦隊
のプロヒィールと補足説明
349 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:04:57.59 ID:wf1CGEY10
>>346
設定かー。スレタイ見て即書きはじめたから、
あんまりきめてはなかったんだけど……。
ミナの場合は、とりあえず潜水艦乗りの少女が必要だなーってことで、
だったら天才少女だなー、だったらでかい設定の方が萌えるなー
っていう安易な考えで優生人類とか言うものになったす。
書いてくうちにイメージ固まってきて、
無口だけど根はいい子、で気丈に振舞ってる、
っつー萌えビジョンが降臨した。
肌は白い。っつか全体的に色素が薄い感じ。髪は長くはない、かな。
その辺は各自脳内補足して、
いいほういいほうに変換してもらえればwwwwwwwwwwwwwww
350 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:11:15.59 ID:wf1CGEY10
主人公はミナと対をなす感じの男が欲しいなっていうとこから出てきた。
こいつはミナと逆に、能力のない感じを出したかった。
何もできない、どうにもならない、でも俺は何かしたい、みたいな。
ミナがちっこいイメージなので、主人公の背は高いか普通か。
あ、あと、名前は最初から最後まで考えてない。
やべぇ俺のオナニー的説明になりつつあるwwwwwwwwwwwwwww
しかも設定の説明になってないwwwwwwwwwwwwゴメスwwwwwww
351 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:12:39.17 ID:ZmaOzN5I0
>>349-350
まぁ、そんな感じだよなwww
とりあえず年齢・身長・体重・生年月日・血液型
がオフィシャルで必要だと思うが
あと、男は名前なくても可でしょwwwww
352 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:16:44.70 ID:wf1CGEY10
>>351
生年月日とかがちがちに決めちゃうとあとから逆にいじりくい……って
まだ書く気か俺。
まぁ、潜水艦乗りたちの話も書いてみたいなとか、
ミナの生まれに関する話とか変に構想は出てきてる。
俺としては最高に満足、っていうわけではないんだけど、
綺麗に終われた(?)からこれでいいかな、っていう気もしてるから困る。
353 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:19:13.27 ID:L+oFMa9K0
>>352
年齢はだいたいのものでいいよ。
何にも設定が無いと、主人公なんか
16.7歳くらいなのか25くらいなのかワカランし。
355 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:22:25.23 ID:wf1CGEY10
>>353
だいたい、か。
主人公20↑ ミナ14〜16くらいのイメージ。
ミナは大体中学生かなー。発育悪いけどwwwwwww貧乳萌えwwwww
358 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:27:36.56 ID:wf1CGEY10
えーっとあとなんだ、第四潜水艦隊について、か。
あー、国の軍備の一部ってことで。
そもそも、国自体が紛争が絶えない感じなんよな。
でも、他の国よりかは幾分か安全、的な。
艦長は意外といっぱい居る。ミナはその中の一人、だけど、
その風貌から隊の人々の一部におおうけ。
馬鹿にされたくないとミナが思ってるのはわかってるから、
隊の皆はミナ本人に対しては敬意をもってきちんと振舞う。
裏では悪意のないいじり方をしてたりしてなかったりしてたりしてたり。
360 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:31:29.32 ID:i2DL5NiVO
再燃焼してまいりました
361 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:36:41.12 ID:ZmaOzN5I0
>>358
環境と世界観把握した
てか現地がどうしても日本のイメージが離れん
やっぱ地球とは別もんの星が舞台なのか?
363 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:38:55.88 ID:wf1CGEY10
>>361
俺も日本のイメージがあるwwwwwwwwwwwwww
けど、まー、地球の未来、ではないだろうな。
文明は今より少し進んでるけどね。
やっぱ別の星orパラレルワールドで脳内補完ヨロwwwwwwwww
366 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:43:10.33 ID:wf1CGEY10
「おい! いつまで寝てらっしゃるんだうちのお姫様は?」
ミナはその日、父親のぶっきらぼうな声によって起こされた。
ミナ、九歳の誕生日の朝だった。
「起きろクソガキ。なぁ、ちょっと外、出るぞ」
「…………う?」
布団を引っぺがされて、ミナの体は冷たい外気に身を晒された。
「寒いよおとーさん………」
「………俺のいた海はもっと寒い」
ミナは低血圧で、いつもは寝起きが悪い。
けれども、父親の声を聞くと、どうやっても目が醒めてしまう。
何故なら、ミナの父親は、泣く子も黙る
国有第三潜水艦隊の総司令であるからだ。
「………三分で準備しろ」
ただならぬ父親の様子に、ミナはびくりと肩を震わせた。
「う、うん」
369 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:48:11.99 ID:wf1CGEY10
俺は車を暖めているから早く来いな、と言い放って、
お父さんは部屋から出て行ってしまった。
この時間、まだお母さんは寝ているだろう。
そう判断して、ミナは朝ごはんを諦めた。
ミナは賢い女の子だったので。
洗面台へ走って、顔を洗う。
水が湯に変わるまで待ってる暇はなかった。
お父さんに三分で準備しろといわれたら、三分で準備しないといけない。
ミナが生まれたときからそれは変っていなかった。
タオルで顔を拭いてから、また部屋へと走る。
クローゼットからお気に入りの白いワンピースを取り出す。
着替える時間さえも惜しい。
時間がなかったので、長く伸ばしている髪は結ばなかった。
371 名前:VIP:2006/02/13(月) 19:53:16.84 ID:wf1CGEY10
「おかーさん、行ってくるね!」
寝室に声をかけたが、むにゃ、という声が返ってきただけだった。
サンダルを履いて、外へと駆け出す。
お父さんの車が停まっていた。
黒くて、おっきくて、かっこいい車。
ミナは、お父さんの車が好きだった。
少し潜水艦に似ていたので。
重いドアを、えんやとあけてから、ミナは助手席に滑り込んだ。
「………何分?」
「二分と四十五秒だ………うむ、うちの馬鹿どもにも見習わせたいな」
「馬鹿って言っちゃ駄目だよ、みんないい人」
「それは俺が一番良くわかってる」
お父さんは、口ひげの片側をくいっと上げた。
これがお父さんの笑顔だった。
「よし、行くぞ」
377 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:00:18.21 ID:wf1CGEY10
「あさごはん………」
駄目元で、お父さんに言ってみる。
「飯がない日も同じように生きなければ生き残れない……といいたいところだが、食えるものがあるときには食っておくのが俺たちの生き方だ」
お父さんは、こちらにパックを投げてよこした。
「海軍印の朝食ゼリーだ。調理班が試作品をよこしてきたんだが、
どうにも俺にはあわん。やはり飯はかみしめないとな」
パックには、でかでかと潜水艦が印刷されていた。
かちかちとパックの口をあけて、ミナは口をつける。
パックを押すと、とろりとしたものが口の中に入ってきた。
「………美味しい」
とろりとしたものは甘くて、空腹にしみこんだ。
さすが天下の海軍調理班だ。
「美味いか? うむ、ならいい………と」
車は急に止まった。パックを放り出しそうになるのあわてて抑えて、
ミナは目を白黒させた。
380 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:06:43.56 ID:wf1CGEY10
着いたところは、家から意外と近い場所だった。
港の近くの、大きな建物。海洋に関する調査や、海洋生物の人工飼育、
海に関わることなら何でもやっているという場所だった。
何も言わずにお父さんが車から降りて、
口パクで、出てこい、とこちらに伝えてきた。
振り返って建物の方に歩いていくお父さんを、
ミナは車から降りて必死に追いかけた。
お父さんは建物の扉の前で、職員のような人と二言三言話してから、
ミナの方へと振り向いて手招きした。
ミナは頑張って駆け寄った。
「こっちだ」
お父さんは、扉を開けて中にずんずんと入っていく。
ミナはお父さんの服の裾をつかんだ。
置いていかれるのはいやだったから。
お父さんは、一瞬、片眉を上げたが、すぐに顔を戻して、
ミナが服をつかんだことに気づいていない振りをしているようだった。
いつもはこうすると怒るのに、とミナは思った。
382 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:11:39.20 ID:wf1CGEY10
いくつもある水色の大きなプール。
その合間を、ミナとお父さんは歩いていた。
何気なく横を通ったプールの数を数えていって、
それが八個目になったとき、お父さんが止まった。
「このプールだろうな………ちょっとそこの階段、登ってみろ」
お父さんは、ミナを見下ろして、プールの横の鉄階段を指差した。
うん、と頷くと、ミナは鉄階段を上ろうとして……止まった。
「ねぇ……」
「なんだ?」
「つきおとしたり……しない?」
お父さんはぽりぽりとこめかみを掻いた。
「なぁ、ミナ。俺がお前を突き落としたことがあるか?」
「……ない」
「だったら、俺はそんなことはしないってことだ。
水の怖さを俺はよーく知ってるからな。そんなことはしない」
383 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:17:31.61 ID:wf1CGEY10
こくん、と無言で頷いてから、トントントン、と鉄階段を上る。
階段の一番上まで行って、お父さんのほうを見ると、
覗き込んでみろ、というゼスチャーをしていた。
何か、いるのかな?
そう思って、ミナは大きな水面を覗き込んだ。
ミナは探す。
揺れていない水面。
光の反射もあまりなく、中は良く見えた。
けれども、何かがいるようには見えない。
何も見つからなかったので、お父さんのほうへ首を傾げて見せる。
お父さんも同じように首を傾げてから、
ミナの方へ鉄階段を上がってきた。
お父さんが階段を上がる音は、ミナのよりも大きく、そして重かった。
ミナの隣まで上がってきてから、
お父さんはミナの頭に、ぽん、と手をおいた。
「よぉくみてみろ」
お父さんが水の中を探す。
384 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:21:00.04 ID:wf1CGEY10
ふいに、お父さんが、あぁ、と呟いた。
「ここにいた」
お父さんは、すぐ近くを指差した。
ミナはそちらへ目を向ける。
確かに、揺ら揺らと何かが漂っている。
「これ……何?」
とげとげの、何か。
お父さんは無言だった。
自分で考えてみろといわんばかりに。
「生き物?」
「そうだ」
「魚?」
「そうだ」
「…………うー」
答えをあてることはできなかった。
漂っているものは、まるっきり不恰好だったので。
385 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:25:22.30 ID:wf1CGEY10
「これ………何?」
「まぁわからんのも無理はないだろうな」
そう頷くと、お父さんは髭だらけの口を開いた。
「これはマンボウだ」
「………マンボウ?」
「あぁ」
このとげとげが、マンボウになるとはとても思えなかった。
「まだ子供だが……ちゃーんとマンボウだ。
巡回していた俺の部下がたまたま見つけたらしくてな、
保護だ保護だと騒いでいたからうけおってきた」
「マンボウ、なんだ」
「というわけで、こいつが誕生日プレゼントだ」
お父さんは、ミナの髪をぐしぐしとかき混ぜた。
「大事にしろよ?」
「これが………誕生日プレゼント?」
「あぁ、嫌か?」
386 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:26:43.70 ID:ZmaOzN5I0
マンボウktkrwwww
387 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:28:54.14 ID:wf1CGEY10
「嫌じゃない、けど………」
正直に言うと、ミナは少しがっかりしていた。
毎年、誕生日は、わけもわからないうちに、わけもわからないものを
お父さんから貰う、というのが常だったけれど、このとげとげが
誕生日プレゼントとは………うぅん。
「お前には、こいつを世話する権利もやろう」
「権利?」
「あぁ、特権だ。世界でマンボウ飼う奴なんて
お前くらいのもんだぞ?」
そう言って、お父さんは笑った。
けれども、笑わないミナに、お父さんは笑顔をやめる。
「なぁ、ミナ」
「うん?」
388 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:32:36.63 ID:wf1CGEY10
「マンボウ、嫌いか?」
「好きでも嫌いでもない」
「じゃぁ好きになれ、な」
またミナの頭をぐしぐしとかき混ぜる。
「このマンボウは、お前と一緒なんだ」
「私と、一緒?」
「あぁ、お前によーく似てる。だから、俺はお前に
こいつを飼ってもらいたい。駄目か?」
飼う、買わないという話の前に、
私と似ている、というのがミナには気になった。
「ねぇおとーさん、なんでこれが私と似てるの?」
「む? わからねぇか? 顔なんてそっくりだ」
言われて、むくれるミナに、お父さんは続ける。
「っと言うのは冗談でな。まぁそうむくれるな。
こいつがお前に似ているっつーのには理由があるんだ」
392 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:38:41.24 ID:wf1CGEY10
なぁ、ミナ、とお父さんは目を細める。
「こいつはな、今はこんなんだが、いつかはでっかくなる。
でーっかくなって、海を泳ぐんだ。わかるか? でっかい海をな」
うん、とミナは頷く。
「お前も、今はちっこい。よく寝坊はするし、未だにおねしょもする」
「う………言わないでよぅ」
「でもな、お前もいつか大きくなって、海に出るんだ」
「海、に?」
「それは、本当の海じゃねぇかもしれない。
な、お前は賢いからわかるな?
お前も大きくなって、大海に出る日が来るだろう。
それが、にているところだ。だからな、お前はその時に、な」
お父さんはミナを見つめる。
「マンボウくらいでっかくいろ」
お父さんの話は、抽象的で、あまりにも的確だった。
それに、何故かお父さんが寂しそうだったので、ミナはあわてて言った。
「ね、お父さん、私この子、飼うよ」
397 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:43:52.31 ID:wf1CGEY10
お父さんは、目を丸くして私をなでた。
かき混ぜるのと違って、優しいなで方だった。
「おう、そうか………お前がそう言ってくれると、俺も嬉しい」
お父さんは本当に嬉しそうだった。
「ね、このマンボウ、どういう名前にしよう?」
「むう、そうだなぁ………」
悩むお父さんと、揺ら揺ら動く子供マンボウを見て、
ミナは少し嬉しくなった。
私に似てる、か。ミナはその言葉を頭の中で反芻する。
私が大きくなった日、それを思い描いて、ミナは、ふふ、と笑う。
この日、ミナはマンボウのことが少しだけ好きになった。
それに、お父さんのことも。
マンボウとはじめてあった日。
ミナ、九歳の誕生日の朝だった。
400 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:44:52.44 ID:wf1CGEY10
この話は一応終わり。マンボウとの初遭遇はこんな形ですた、ってことで。
ちょっと簡単すぎたかなorz
402 名前:VIP:2006/02/13(月) 20:45:29.25 ID:wf1CGEY10
あとお母さんの話とか艦隊の人との話とかwwwwwww
書きたいけど時間ねぇwwwwwwwwwwwwwww
429 名前:VIP:2006/02/13(月) 22:46:50.87 ID:qOdXo4ud0
なぁ、マンボウって・・・自分の意思で泳げなかったと思うんだけど・・・・・・
ごめん。余計なこといったな
430 名前:VIP:2006/02/13(月) 22:49:22.18 ID:wf1CGEY10
>>429
基本的に海流に乗って動くだけだけど、
流れが弱ければ自力でも泳げる……はず。
海遊館のマンボウは餌の時間に、
ゆっくり餌に近づいてぱくつくのがテラマンボウスwwwwwwwwwwwww
431 名前:VIP:2006/02/13(月) 22:57:20.36 ID:ZmaOzN5I0
まぁ泳げる泳げないにしろマンボウだからここまでこれたと思う
そんぐらいマンボウに魅力があるってこったwww
他の魚類だったら
「原子力潜水艦と本マグロを交換したwww」
妙におかしいだけのスレタイじゃんwwwwww
たぶんストーリー化は無理ぽwwwww
433 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:07:03.63 ID:wf1CGEY10
「艦長………」
「何?」
「今から……艦の奴らと飲みに行きませんか?」
「…………いい、けど」
「今日はタケの送別会ですから、艦長の飲み代はロハですよ」
「……私はオレンジジュースしか飲まないけどね」
ミナは、鼻をすする海兵の背中を叩いた。
タケと呼ばれていた兵士が死んだのは、三日前のことだった。
海軍駐屯地の近くで暴動が発生し、それを治めるために、
海兵まで借り出されたのだ。そして、今ミナの隣を一緒に歩いている
この兵士の目の前で、タケは死んだ。親友の目の前で。
435 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:10:20.81 ID:wf1CGEY10
「なんで艦長が辛気臭い顔してるんですか」
「だって」
「タケの奴もそんな顔されたら怒りますよ?
あいつは艦長を愛してましたから」
あはは、とぶっきらぼうに海兵は笑う。
「愛してただなんて」
「そのくらいの狂信ですよ。知ってました?
あいつのベッドの横には艦長の写真が」
「……そうだったの?」
「いっしょに燃やしてやりましたよ、向こうに持ってけるように」
「…………そう」
「だから、艦長は笑ってないと」
海兵は自分の頬を指で吊り上げて笑顔を作る。
「笑ってるほうが可愛いですもん」
「……ありがとう」
ミナは、笑った。
横の男が無理をしているのがあまりにも見え見えだったから。
439 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:16:18.76 ID:wf1CGEY10
地下施設の内部にパブがある。
普段は荒くれものの溜まり場だったが、
今日は第四艦隊の貸切だろう。
死んだ人間を送る日、いわゆる送別会の日は、
貸切にして騒ぐのが恒例だった。その代金は、
死んだ人間の死亡保険から捻出される。
海兵たちにとっては、もはや当たり前となっている行事だった。
「ね、みんなまってますよ、普段酒飲まない奴らもみーんな」
「タケ、みんなと仲良かったものね」
「そうですね、あいつほど真面目に馬鹿がやれる奴はいなかった」
「……そう、ね」
「艦長、笑顔笑顔」
言われて、ミナは無理やりに笑顔を形作る。
「もうはじめちゃってるかしら?」
「いや、始まってないと思いますよ、皆、艦長を待ってると思います」
440 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:20:39.03 ID:wf1CGEY10
「私、を?」
「えぇ、乾杯の音頭は、艦長しかとっちゃいけませんよ」
そう言って、海兵は笑った。
「ケイだって、コウスケだって、マークだって、
みんな艦長の音頭で送ったんです。
タケだけ仲間はずれじゃぁ、あいつが怒りますよ」
それもそうね、とミナは笑った。
パブはもうすぐだ。
いつもはにぎやかなパブの周辺は、ざわざわという声がするだけで、
いつもより寂しかった。
「さーて、景気づけに一発行きますか」
海兵は、パブの扉を、思いっきり開けて、叫ぶ。
「艦長連れてきたぞー!」
オー! という、轟音。誰もが、寂しさを押し隠すかのように、
隣の人間に負けまいと、喉を張っている。
いつもいつもこれには圧倒される。
ミナは、マスターからオレンジジュースを受け取ると、それを掲げた。
442 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:25:28.69 ID:wf1CGEY10
とたんに、パブの中が静かになる。
ミナは、ゆっくりと口を開き、腹いっぱいに息を吸い、叫んだ。
「タケと飲む最後の酒を、しっかりと飲み、しっかりと騒げ!」
また、轟音。海兵たちは、足を踏み鳴らし、
グラスが割れるかと思うほどに、隣の人間とぶつけ合わせた。
誰もが明日はわが身かもしれないと思いながら、
今を楽しむことに全力をかけようとしていた。
やはり、これは感傷、なのだろうか、
ミナは母親が死んだときのことを思い出していた。
ミナが十歳の誕生日の日だった。
ミナは、いつおこしに来るだろうかと、わくわくと父親を待っていた。
けれども、父親はいつまでたってもおこしに来なかった。
毎年の恒例行事を、ある種楽しみにしていたというのに。
444 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:29:49.76 ID:wf1CGEY10
ミナは絶えられなくなって、ベッドから抜け出た。
もしかすると両親ともまだ寝ているのだろうかと思い、
寝室を覗いてみた。
寝室に父親がいないだろうとは思っていたが、
驚くべきことに、母親までもがいなかった。
居間、食卓、お父さんのトレーニングルーム。
どこを見ても、誰の姿もない。
不安になっていると、電話が鳴った。
電話はリンリンと、アナログな音を騒がしく撒き散らしている。
はいもしもし、とミナは電話に出た。
『ミナか?』
「うん、お父さん?」
『あぁ、そうだ。なぁ、今から一人でいつもの病院まで来れるか?』
「………いける、とおもう」
『今すぐに、来い』
「………制限時間は?」
『できるだけ早く、だ』
446 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:33:23.25 ID:wf1CGEY10
電話が切れてしまってから、ミナは着替えるために自室に戻った。
何故病院なのか、何故急いでいかねばならないのか。
それは、あからさまにわかりきっていた。
(――お母さん………)
ミナの母親は優秀な兵士だった。
勇猛果敢で、恐れるものなど何もなかった。
鍛えられた肉体は戦場では恐怖の象徴だったし、
少数精鋭の暗殺部隊の部隊長でもあった。
戦場で姿を見れば即死、という現実から、
『死神』と呼ばれたことさえあった。
それら全ては、彼女への一本の投薬から始まっている。
『マッドエンジェル』と名づけられたその薬は、
人間の肉体の限界性能を引き出す代わりに、寿命を削る。
国のためだけに作られた薬だった。
ミナの母親は優秀な兵士だったから、
国のために、迷うことなく投薬を受けたうちの一人だった。
448 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:38:52.80 ID:wf1CGEY10
できるだけ大人らしい服に着替えた。
庭の水槽に、乾燥したクラゲを放り込んでから、
ミナは病院へ向かった。
歩きやすいスニーカーを選んだのは正解だった。
国立病院までは子供の足にはかなりの距離だったからだ。
「お母さん………」
お母さんが、もう危ない。それは、子供心にうすうす感じていた。
お母さんは極端に物覚えが悪くなっていたし、手が震えて
ときたま自分でご飯を食べられないほどだったからだ。
ミナはそれがどうしてかは聞かされていなかったが、
自分でできるだけ調べて、概要は把握していた。
それが、逆に辛さを助長させる結果となっていた。
なんでお母さんは薬をうったの?
なんで国のためにお母さんが苦しむの?
なんで?
疑問は心の中で渦巻いたが、母親本人に聞くことはためらわれた。
450 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:42:27.06 ID:wf1CGEY10
涙があふれてくる。
かなしい涙ではない気がする。
何故か、ミナは冷静だった。
悔し涙だろうか?
自分では、お母さんにどうしてやることもできないから。
それを認めてしまうのが怖かった。
それを認めてしまうのは、
お母さんが終わってしまうことを認めるのと同じだったから。
「おかぁ…さぁん………」
うめきながら、病院へと急ぐ。
直射日光に、頭がふらふらとした。もともと日光に弱いのだ。
それは、優生人類として生まれたが故の悩みでもあった。
病院の門が見えたときには、大きなため息が出た。
452 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:46:32.88 ID:wf1CGEY10
受付で、病室の番号を聞く。
三階の左端だった。お母さんが酷くなったとき、
いつも行く病室だった。
「ねぇ、今度も大丈夫だよね?」
ミナは、心の中でマンボウに話し掛ける。
一年間飼ってみて、飼育の難しさと共に、
何か愛情のようなものをミナは感じていた。
そして、何か頼りがいのある存在だとも感じていた。
エレベータは、なかなか来なかった。
ミナはいらだって、階段を使うことにした。
一段飛ばしで、おおまたで駆け上がる。すぐに息があがった。
けれど、止まってはならないような気がして。
三階。
階段から近い、端の病室に、ミナは飛び込んだ。
453 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:50:46.08 ID:wf1CGEY10
「お父さん! お母さんは!?」
ミナはげほげほと咳き込む。息があがっているところで叫んだのだから、
当然といえば当然だった。
「なぁ、ミナ、お母さんの横に行ってやれ」
お父さんは静かに言う。
自慢の口ひげも、心なしか下がって見えた。
「………う、ん」
ベッドの上で、お母さんが薄めをあけていた。
顔の穴という穴に、管が刺さっている。
ミナは、それを引き抜きたい衝動に駆られた。
綺麗なお母さんの顔から、何かを吸い取っているように思えたから。
「おかあ、さん?」
「………ミナ?」
こちらを良く見ようと首を動かしたが、
お母さんには何も見えていないようだった。
ミナは、無言でお母さんの手をとった。
「ミナ………私の、ミナ……」
454 名前:VIP:2006/02/13(月) 23:55:46.39 ID:wf1CGEY10
手が握り返される。
けれども、それはあまりにも弱弱しくて。
「私は、もう駄目だと思うから、あんたに言っておくことが、ある」
かすれた声。管が刺さっているからだろうか、
発音さえも難しそうだった。
「駄目だなんて」
「今まで生きてたのが、おかしかった、んだよ、あたしは」
コヒュー、と喉が鳴る。自嘲しているのだろうか。
「あたしが薬を飲んだわけ、言ってなかったよ、ね?」
「……うん、聞いてない」
「なんでか、って、あんたは思うってるだろうけど、
あたしにしてみれば、当たり前のことなんだ、よ」
「当たり前?」
「あたしの親友は、レミは、あたしの腕の中で、死んだ」
「え?」
「力が、足りなかった、人を守るには、力が、要る、んだ」
辛そうに、お母さんは話し続ける。
けれども、話をとめてはいけないだろう、とミナは思った。
「だからね、守る力が、ほしかった」
「………だからって」
458 名前:VIP:2006/02/14(火) 00:00:05.28 ID:ipkLXrB/0
ミナは、泣いている自分に気づいていたけど、
涙を止めることはできなかった。
「だからって、なんでお母さんが犠牲にならなくちゃいけないの?」
なんで、とミナは繰り返す。
「なんで、お母さんなの?」
コヒュー、という音。笑っているのだろう。
「あたしが、やらなきゃ、さ、他に、誰がやる、んだ?」
コヒュー、という音。満足げに。
「あんたにも、わかるときが、絶対に、来る。そのときは、
あたしを、思い出すんだ、わかった、か?」
「………わかんない」
ミナは低く声を出す。
「わかんないよ、そんなこと。絶対一生わかんない!」
「じゃぁな、ミナ、簡単に教えてやる、よ」
お母さんが微笑んだように見えた。
462 名前:VIP:2006/02/14(火) 00:06:08.80 ID:ipkLXrB/0
「あたしが、一生守るって、な、きめたやつは」
お母さんは目を閉じる。
「そこに、さ、つったってる馬鹿と、あんただよ」
お父さんは、黙ってお母さんの手をとった。
「………お前は良く頑張った」
お父さんが、ぽつりと言った。
「あは……あたし、あんたに褒められたの、
もしかすると、はじめて?」
「………そうかもな」
「なぁ、馬鹿」
「……なんだよ」
「笑えよ」
お母さんは、また薄目をあける。
「笑え、よ。お前の、さ、下手な笑顔、最後に、またあたしに見せてくれ」
「……よくばりな奴だ」
お父さんはそう言うと、お母さんに覆い被さるようにして。
463 名前:VIP:2006/02/14(火) 00:11:24.79 ID:ipkLXrB/0
「……………艦長!」
はっと気づく。そういえば、宴の最中だった。
「駄目ですよ、ぼーとしてちゃぁ、オレンジジュースお代わり、どうです?」
「お前………これ、アルコールの匂いがする」
「気のせいですよ、気のせい!」
そう言って、海兵は馬鹿笑いした。
「なぁ」
ふと、ミナは海兵に尋ねる。
「――お前が命かけてまで守りたい人って、いるか?」
「艦長、何てこと聞くんですか?」
海兵は、また、馬鹿みたいに笑って。
急に真面目な顔になって、
「俺らは、命捨ててでも艦長を守りますよ」
と小声で言った。
(――あぁ、そうか)
ミナは、思い知った。
私が守りたいのは、今目の前にいる人間全員だと。
欲張りかもしれないが、心の底からそう思った。
夜の喧騒は、鎮魂歌となって。
464 名前:VIP:2006/02/14(火) 00:12:20.87 ID:ipkLXrB/0
ラノベっぽい奴終わりー。
潜水艦とマンボウでてこないじゃんって思った奴は……
すいません出せませんでした土下座します。
465 名前:VIP:2006/02/14(火) 00:15:03.74 ID:ou+g4YjW0
母親イメージとぜんぜん違ったな
それがまた面白くていいけどw
この話って本編の前?後?
468 名前:VIP:2006/02/14(火) 00:16:10.50 ID:ipkLXrB/0
本編の前、かなイメージとしては。
ミナ(たん)が仲間って言うものを意識したお話です。
続き。
http://guideline.livedoor.biz/archives/50247843.html
この記事へのコメント
1ゲトーw
何なんですかこの良作は!
興奮MAXハフソハフソ( ゜∀゜)=3
感動したっ!光速で保存した!!
おかーさーん!!
ひめしょお返しFD・・・と脳内変換してFDがきた事にする('A`)
I was very dissapointed of this :(
Not really new.
I was very dissapointed of this :(
i am not sure as to why...
Very clear.
